淀川長治、黒澤明を語る。
図書館でなんとなく借りた。
18くらいの時に映画監督になりたくて、日本映画学校を受けに行ったことがある。
(不合格だったわけだが)
その頃に、映画をたくさんみてて、(浪人になった時も、そのほとんどを映画と本を読むことに費やしていたけれど)そのころは、黒澤明がかっこいいと思って、淀川さんの映画を見れるようになれたらいいなと思っていた。
淀川さんは徹底的に映画を楽しむために見る人なのでスキ。批判的に見るわけではないので映画評論家であっても、映画批評家ではない。
本書では、淀川さんと黒澤監督の対談が収録されているが、二人とも映画の中にある、とある美しいシーンを観る側と作る側とで追求しているところがよく目につく。
淀川さんが蜘蛛巣城で弓矢が首に刺さるシーンを褒める。すると、あれはどうやって工夫したかを黒澤さんが応えるのような息の合った対談は読んでいて楽しい。
黒澤作品を見返したくなった。
あと、『サンセット大通り』がまたみたくなった。
『サンセット大通り』は最後の老女優が階段を下りるシーンを「こわい、こわい」と評していた作品で、ほんとにそのシーンはめちゃくちゃすごいので、また見たくなってきた。
あと、淀川さんの「こわい」は少しどういうものか分析してもみたいかなとも。