monomadoのブログ

本を買う話とか、読んだ本の話とか。あと時々、旅行の話を。

出雲へ向かう

久しく旅行にでかけていない。いいかげんどこかに出かけないとおかしくなりそうだ。いつでもそうだけど、いつも安心して長期休暇の予定なんか立てることができない不安定感。直前まで予約も準備もないままに、突然前日なんかにいそいそと準備を始めだす。
3日〜8日まで、休みのすべてを使って旅行にでかける。旅行前日に準備をはじめたものだから、このGWのことだから、全然宿がとれないで、なんとか電話かけまくって宿を確保する。
行き先は、ほとんどでかけたことのない、島根と鳥取。出雲まで向かってから、東へと大阪へ戻ってくるようなルート。まずは3日に高速バスで出雲まで向かう。本当であれば、2日の仕事終わりの夜中に高速バスに乗ってしまいたいところだったけれど、あいにくの満席のため、3日の朝、七時に大阪梅田の阪急高速バス乗り場から、バスで出雲に向かう。7時発で到着予定は13時予定。

どうせ道は混んでいるに違いないと思っていたけど、事故渋滞も相俟って、到着は17時。飛行機ならアメリカに着いているじゃないかという時間がかかったが、飛行機との違いは1時間少し置きにパーキングエリアで休憩できることくらいだ。

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蒜山高原。

時間だけはたくさんあったので、本はたくさん読めた。だから全然快適。2冊も読めた。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

旅行で読むにはふさわしいのだろうかはわからん。

ポーノグラフィー始末記 (植草甚一スクラップ・ブック)

植草甚一のポルノ小説についてのエッセイを集めたもの。
フランスなんかでポルノグラフィーというのはまずもって私家版なんだな。だから大変手に入らないし、それだけでどきどきということだったに違いない。奢灞都館の本なんかを古本市で見つけた時の喜びはそれに少し近いはずと思っている・・・

予定では、昼過ぎについて出雲大社にお参りにいこうと思っていたけど、明日に諦めて、日御碕になんとか取れた民宿に直接向かうことにする。
この連休の5月3日はひどく予約がとれない日で、Web検索ではラチがあかないので、地図みて民宿と書いてあるところに方端から電話していって、ようやく予約が取れたお宿。電話口に出たのは、おばあさんの声で、晩御飯とかは準備できないがそれでもよければ、という条件でのこと。

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駅に着いたときは、暗くなり始めていた。

駅前から、日御碕行きのバスにのる。出雲大社を横目に見ながら、バスは左折して浜へ、海沿いを山を登っていく。

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道が極まったところで、バスを降りて少し歩く。
灯台が見えた。19時くらいだっただろうか。貝殻で作ったみやげ物だのが並んだ小道の中に宿を見つけると、おばあさんが前で待っていてくれた。

聞けば、先月に宿を閉めてしまっていたのだけど、折角電話をくれたのだからと、泊めてくれたのだということで。年齢の問題と、テレビをデジタルに仕替えることができないし、後継ぎもいないし、ということで。部屋に案内されると、こちらは布団で寝られれば大変ありがたいといいながら、自分で布団を敷きますよってに、とできるだけ、ご迷惑をかけないようにと気遣いながら、お部屋を借りる。

部屋の窓からは灯台が見える。夜で暗かったが、灯台のあたりまで歩いてみた。

ようやく遠くに来ることができたと思い、少しうれしくなる。