天満へ古本屋めぐり
唐沢俊一による、古本にまつわるエッセイ、お話が書かれた本。
天満の古本屋を見て回りながら、天牛書店を見つけて買う。そしてその日に読んでしまう。
古本マニアについての本が好きだ。だから荒俣さんの『ブックライフ 自由自在』とか、植草甚一さんの話とかもとても好きだ。
唐沢さんの話は、いかに古書マニアたちの世界が、ドロドロとした世界であるのかが、とても具体的に書かれている(とある一日の話とか、即売会で起こったとある本の奪い合いの話だとか)。
岡崎 武志さんの『極楽古本ガイド』にも、同様に書かれていたが、やはり古本好きの人たちに、たくさんの蔵書を抱えているからといって、「どれくらい読んでいるのですか?」という質問は愚問である、と書かれているのに納得しはじめる。
唐沢さんの本に、こうあった。
ところで、そんなにたくさん買って、いつ読むのだ、とよく聞かれる。こういう愚問を発するのは古書マニアではない人間である。切手収集マニアに、そんなに切手を買って、いつ手紙を出すのだと訊くようなものではないか。古書は集めるためのものである。読むものではない!
(『古本マニア雑学ノート』p49)
古書マニアとしては、集める本を読んでいるうちは青二才なのだそうだ。
また、『極楽古本ガイド』には、蔵書の数、読んだ数、月に読む量を訊かれたら、
面倒なときは「ざっと十万冊。もちろん全部読んだ。月に百冊は読む」と答えておく。白髪三千丈の類である。読書を数や量に換算するのは、読書の楽しみからもっとも遠ざけるべき悪癖である。(『極楽古本ガイド』p245)
ともあり、どれくらい読んだかとは訊かないで欲しいと書かれている。
いずれもとても共感のできるお話だと思う。
『極楽古本ガイド』は本を読むことがねっから好きな人の話。より古本屋さん側に近いところで書かれた古本の話。
本を買いあさるぞ!っという気分のきっかけは、立花隆『知のソフトウェア』。一ジャンルをそこそこに極めるには4週間でいける。そして、まずは本を数万円分くらい買い込んで来い!という話がとても気合が入る。
本は常に安い買い物 と書かれていたのを覚えており、今でも実際その通りだと感じ入りながら、本を買い込んでくる。
作ることが大変だということもあるけど、別のものに置き換えようとした場合のコストそのものが実際、安い買い物だとよく思う。
技術書とかなんか、読めばわかるようなことを何十万みたいな研修料金をとられたりするもんだし。
どうしたもんかなと、最近の仕事内容に不満を感じ始めつつ、本をどしどし読んでいこうと気分を変えようとしている。