せんべろ探偵が行くを読んで飲みにいきたくなる
- 作者: 小堀純,中島らも
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/07/20
- メディア: 文庫
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中島らもの本を最近よく読む。中学、高校生くらいによくBOOKOFFとかで買ってきて読んでいた。最近、「ガダラの豚」を読んで急に中島らもリバイバルが起こっている。中、高校生の時とはちがって、いまは飲みにいくこともできるので、お酒に絡んだ話なんかも、むかしとは違った感覚で読むようになった。せんべろという言葉はこの本で有名になったのだろうか?飲み屋でせんべろという言葉を使ったら、となりの知らないおじさんが「中島らも?」と言ってきたりするのだから、この本が有名なんだろう。
この本は、せんべろできるお店にいく話が書かれている。けっこう行ったこともあるお店があったり、まだ見ぬわくわくするようなお店も紹介されている。お店にいって、店の人の話を聞いたり、どうでもいいようなことを、まさしく酒の席のライブ感でつづってあり、読んでいると、とにかく飲みに行きたくなる。大阪のお店なら、これから少しずつまわっていけばいい。
大阪だけでなく、東京、横浜、名古屋、博多、そして岡山など、わざわざせんべろするために遠征もする。そして、岡山の成田屋がとても気になったので、他の目的とあわせて行ってきた。岡山に数軒あるのだけど、ホテルから近かった田町店に。
入り口から中の様子が見えなかったけど、思い切って飛び込んでみると開店一時間もたっていないのに、ほぼ満席。一人だったのでなんとかカウンターの席に潜り込めた。
せんべろ探偵にも登場したゲタの煮付け。舌平目の煮付けのことだけど、かなりでかい。一人で食べるには大きすぎると思ったけど、うまくて全然食べた。
岡山の名物でもあるままかりは290円くらいだったか。とにかく安い、うまい、新鮮。
日生でとれたらしい鯖をつかったきずし。300円。これまた安い。
一人で飲んでいたら、となりの席のおじさん二人組に話かけられた。若く見える風体で一人で飲んでいるのが珍しかったんだろう。二人組は先輩、後輩の関係らしく、先輩のほうが、どうしてもこのお店に来たくて、後輩を連れてやってきたという話をしていた。二人とも出身は鹿児島だけど、仕事で岡山に住んでうん十年になるらしかった。こういうのも、飲み屋の楽しみであり、おじさんとの話はとてもおもしろかった。おじさんたちが先に席を立ったけど、二人でしこたま飲んで、食ってたのに6000円を切る値段で、後輩のおじさんが「まじか!」と驚嘆していた。先輩が「よい旅を、そしてよい出会いを!」とかっこいい言葉を残して去って行ったのが、妙にふさわしく感じた。
僕もビール2杯、日本酒3合、ゲタ煮付け、きずし、ままかり、とりす(春雨と蒸した鳥をポン酢であえたもの)を飲んで、食べて2000円くらい。岡山行ったら成田屋いくべし、と呪文を唱えながらホテルに帰って行った。