技術屋の心眼 平凡社ライブラリー
- 作者: E.S.ファーガソン,Eugene S. Ferguson,藤原良樹,砂田久吉
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
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エンジニアのはしくれ として読んでみた。
この本では、技術における、非科学的な思考、すなわち視覚的、非言語的な思考の意義と本質について、工学における実例をあげながら論じられている。
読んだ感想と、自分の仕事において重要と思うこととを重ね合わせると
・実際にやること、経験がないと考えられない。
できたものを眺めるだけでは、どう動いているかはわかっても、どう動かすかはわからない。使う側ならば、それで十分だが、作り手としては、どう動かす、どう作るかということは、やってみないとわからない。
そこで得られるものは、具体的な経験であり、書かれた答えの周辺にある、書かれなかった工夫、わざわざ回避されている別の記述が見えてくるものだと思う。これを伝えることは難しいが、それをいかに伝えるかという意味で、視覚化の努力がなされてきた工学に
関る図譜が並べられているのはとても面白い。
といったところ。
工学において、工夫と発見が、ものをじっと眺め観察し、試してみるということから来るということを教えてくれる本。
結果が書いているシートを眺めて、いきづまって頭を抱えている状況というのは逆にいえば何も生み出さないということも逆に言えそうだ。コードを眺めているくらいなら、とにかく書いたほうがよさそうだし。動かしてみたほうがいいというところだろうか。
とはいえ、これは工夫とか”自分にとって”未知のものに取り組むときの指針であって、経験から実に着けたことは、こんどは試行錯誤の世界ではなくて、一発で成功させる達人の道にすすまないといけないとも。